武道の中で年をとってもずっと稽古を続ける者の数が一番多いのが合気道だと思う。
1.柔道、剣道、空手を大学卒業しても続けている人は、職業上必要とされない限り少数だ。 理由はだいたい以下のようなものだと思う。
(1)肉体的理由 ①仕事をしているからケガをしたら困る。 ②体力的にきつくなった。(学生時代のような回復力がない) ③体力を使うので仕事に差し支える。
(2)精神的理由 ①相手に勝つことが目標になるので、勝てないと面白くなくなる。 ②年と共に後輩に勝てなくなり、面白くない。 ③後輩に指導できなくなり、グループ内での発言力が落ちる。 特に大学の体育会系のクラブはタテ社会であり、先輩というだけで威張る傾向の者がいて、そんなクラブ自体が嫌悪される傾向にあり、クラブが続かない。
2.合気道は大学に入ってから始める者が殆どだが、卒業してからも継続している者が多い。 社会人になってから始めた者で数十年続けて稽古をしている者も珍しくない。
何故、大人達がいつまでも合気道を続けるのだろうか?・・・その魅力を考えてみる。 (1)肉体的理由 ①他のスポーツや武道のように筋力に頼らないので肉体的な消耗が少なく、ケガも少ない。 では何を使うかというと・・・「筋」や「骨」とか「気?」といったものを使う。 ②相手とぶつからないように円を描くように動くので筋力の強弱に拘らない。 ③試合がないので相手に勝つという目的がなく、無理をせずに<マイペース>で稽古が出来る。 ④足や手の筋力に頼ることがない全身を使った動きなので血液の循環が全身にまわり体調が良くなる。 ⑤スポーツのように瞬発力が必要とされない。 ⑥筋力に頼らないので非力な女性や年配者でも上達していくことが出来る。
(2)精神的理由 ①年をとっても上達していくのがわかる。 ②相手と技を掛け合うが、相手と対立していくのではなく協力していく関係になる。 「社交ダンス」的な感覚が求められるので、相手を倒そうとする気持ちにはならない。 ③試合がないので、優劣がなく、上下関係が成り立ちにくい。 ④相手とぶつからないように肉体を心に合わせて動かそうとするので、心の安定に役立つ。 海外では「Movinng ZEN」(動禅)と言われるくらいである。
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