合気道について 2

合気道

合気道には柔道、剣道、空手のように試合がない。                                               それでは目標がなく、<うまくなった>という実感が持てず、<やりがいがない>という事にならないのか。                                                  実際、剣道、空手、柔道はYOU TUBEにも試合の状況や結果、そして勝つためのテクニックがいっぱいUPされている。

しかし合気道は相手を投げたり、抑えたりするシーンはあるが、闘っているシーンは一部の例外を除くと全くない。                                                     あくまで「取り」が投げて「受け」が投げられて受け身をとる・・・というシーンだけ。               それも決まりきった技ばかり。                                      合気道的には「一教」「二教」・・・「入り身投げ」「小手返し」「呼吸投げ」・・・。 といった名前が付けられているが、これらの型は昔からある柔術や護身術と変わらないような気がする。

<柔道>のように相手が勝手に<どこかを掴んでくる>という事はないし、<空手>のように<どこを殴ってくるのかわからない>訳でもない。                                     まして<剣道>のように<スキがあれば一本>という訳でもない。

合気道の稽古は通常「手を持たれたら」・・・相手の手をもって体をクルッと回すと、相手はそれに合わせて受け身をとる・・・というパターンになる。                                   お芝居や映画やTVのチャンバラシーンの<殺陣>と変わらないのでは。

そんなパターン化された型稽古をしてなんの意味があるのか・・・と考える人も多いと思う。

実際のケンカになった場合、手を捕まれたとき、相手が<おとなしく技をかけられる>という事はない。その手を振りほどき、蹴とばしたり、殴りかかってくるというのが通常だろう。                

だから、護身術としては頼りない・・・と思われる。                                                                

しかし今や世界の合気道人口は200万人近いといわれ、日本国内より海外が盛んだ。                          おそらく先進国と言われる大学には大抵合気道クラブがあり、大きな町には道場がある。                         合気道には座り技などもあり、どちらかというと外国人向きではない。                                 にも拘わらずYOU TUBEにも外国人が合気道をやっている動画が数多くUPされている。

そんな人たちが、<殺陣>のような事を何故やりたがるのだろうか。

おそらくやってみた人間しかわからないだろう。

相手の動きに自分の動きを合わせる<模擬格闘技>としての面白さ、そして肉体的接触を通じて相手を感じられる<ダンスのような楽しさ>があるのではないか。                                                                       そして他の武道のように直線的な動きではなく<螺旋>の動きであり、「相手と対立」するのではなく、「相手と共動」する動きだからではないか。                           しかもやればやるだけ上達する。時にはそれまで見たことのないような動きや感覚がある。

そして体の中で<喜び>というものを実感できるのではないだろうか。

合気道本部の多田師範はその著「合気道に活きる」の中で「合気道は生命力を高める」と言っており、実際に93歳になっても合気道を指導している。                                     ロシアの連邦国立生理学・基礎医学科学研究所の研究者が「年をとってからも身体の運動調整機能を失わず、脳の活動を活性化するには、足の親指を使ったトレーニングが必須で、その最良のものは(ダンスやフィットネスやヨガでなく)合気道だ」と発表している。(合気道の意外な効用 – ロシア・ビヨンド (rbth.com)

もしかしたら合気道をやっていると、体の内部の細胞がそんな動きの必要性を感じ、そして「肉体」から「気」や「心」というものを実感することが出来るようになるのではないだろうか。        

誤解をおそれずにいうと物理学者の保江教授が書かれている「合気」は「対立する」ものではなく「愛」だと主張している一連の著作やYOU TUBEの動画もある。(愛の奇跡が起こる愛魂道(あいきどう) – YouTube)                                                       また合気道、大東流合気柔術を数十年稽古して来られた数学者である木村達雄教授の「合気取得への道」 (合気修得への道―佐川幸義先生に就いた二十年 | 木村 達雄, どう出版編集部 |本 | 通販 | Amazon )で自己の体験を元に分析している。                                          私自身としては少々行き過ぎではないかと思う事もあるが一読の価値があると思う。

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