合気道で最初に学ぶ「技」として<一教>というものがあります。
【問題点】 <正面打ち一教>は正面から手刀で打ってきた腕を抑えて前に崩す技。
ところで、実際に、相手が正面から手刀で打ってくる相手に対して、 本当に「一教で抑えられるのだろうか」 ・・・そんな思いを抱きながら稽古していました。
【(私なりの)考え】・・・結論と言えないのが歯痒い!
(1)ます、疑問点 ①正面打ちをしてきた相手に対し、相手の手刀のどこを最初に抑えるか。
<前腕部>なのか<上腕部>なのか
⇒<上腕部>を抑えるのが良い・・・と言われているようです。
以下の動画の4分20秒くらいのところで説明しています。
Aikido【正面打ち一教】のコツを日本一分かりやすく解説した動画 – YouTube
これに対し、掌に近い<前腕部>を抑えようとしている方もいますが、相手の勢いが強いと、自分の腕が負けてしまったり、ケガをしたりしますのでお勧め出来ません。
②相手の<上腕部>を抑えた後はどうする。
上記動画の7分15秒から説明されているように、腰を切って、目の前に相手の腕を下ろす。 そのとき常に相手の腕が自分の正面に来るようにする。
これは、それなりの説明だと思います。
③上記のように上手く相手の<上腕部>を抑えることが出来たらいいのですが、 その間合いに入るには、どうするか。
上記動画では4分のところから、「相手が振り上げたときに前進して相手の腕を抑える」と説明しています。
「一足一刀」と言っていますが、もし相手が木刀を持っていて振り上げても同じように入れるのでしょうか。 そもそも、相手の上腕部の下側を正確に抑えることが出来るのでしょうか?
(2)私の考え ⇒正面打ち一教は、「技としては」かなり無理があるのではないでしょうか。
もし正面から打ってくるとするなら、おそらく相手が「ナイフ」か「木刀」か「日本刀」で襲ってくるというケースだと思います。 それを相手の正面から入って<上腕部>を抑えることが出来るのでしょうか。 ⇒かなりリスキーだとおもいます。
⇒私なら、<体捌き>で避けます。
むしろ、<正面打ち>は<体捌き>の稽古の為にあると思っています。
【理由】 それは、正面だと「相手の上半身の動きがよく見える」こと、そして「相手のタイミングに合わせる稽古をしやすい」からだと思っています。
<その為の稽古の方法> 相手が右腕を挙げたとき、それと一緒に相手に近づき、相手が右腕で打ちおろしてきた時、それと一緒に体捌き(転換)をする。
・具体的に説明すると a.相手の<手を挙げる>ときや<打ち下ろしてくる>ときと、同じスピードで動くことが必要。 相手が手を挙げた瞬間、飛び込んで相手の間合いに入るのではない。
b.相手が手を挙げる時に<息を吸う>のに合わせて、自分も吸い込まれるように動き接近する事。
c.相手が打ってきた時、同じ速度で転換する。
⇒相手の動きに対して、鏡のように動くこと(相手を映すこと)が重要。 もっというと相手の動きと一体となる事。
※私の知る限りでは開祖や塩田先生が正面から打ってきた相手に対し一教をやっている映像は見たことがない。塩田先生は相手の手を受け止めてから体捌きの一環として動いているように思える。 開祖については、私も直弟子と言われる先生の指導を受けていた時に尋ねたのですが、開祖は「手を打ち下ろすのではなく目の前に突き出すようにするように」と言われた、と話されていました。
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