🔷柔道、剣道、空手道といった他の武道は試合があるので分かりやすい。 <試合に勝てるようになること>=<上手くなること>、と一般的には言える。
1.それぞれの武道に適した筋肉をつけることが必要になる。剣道に筋トレは必要か?最低限の筋力とは? (kendoubu.com) それゆえ、そのような筋肉を鍛えられ、かつ技術的にも成熟する30歳代が一番強いといわれる。 それ以降は、年齢とともに衰えてくるのが普通だ。
無論一部の例外はあり、年をとっても強い人がいる。
2.しかし、これは今に始まったことではない。 江戸時代の剣客の白井亨の話は有名だ。
当時江戸一番の道場と言われた中西道場で名を馳せ、全国を修行して回り、江戸に戻ったとき、嘗ての仲間が歳と共に衰えていたのに驚き、自分の剣術を見直し<歳をとっても衰えない剣>に開眼したと言われている。白井亨 – Wikipedia
🔷では、合気道ではどうなるか
そもそも、合気道には試合がないので、まず<上手い>、<下手>をどのように見極めるかだ。
1.通常二人で組んで稽古をやっていて、相手の腕を握って捻ったとき、相手の体全体の体制が崩れるか否かでわかるとされている。
<下手な人>は少し腕を捻るだけで、体全体のバランスが崩れてしまう。 <上手い人>は腕を捻っても、体の体制が全く崩れない。
2.座った姿勢で相手の腕を握ってやる<呼吸法>(大東流では<合気あげ>という)で、どちらが体制を崩せるかという事で、呼吸力があるかが判るという人もいる。
3.しかし、私が上手いか下手かを感じるのは<体捌き>が出来るかが重要だと思う。
わかりやすくいうと、相手が掛かってきたときに、うまく相手を捌けるかだ。 武術でよく言われる「相手から遠く、自分からは近い」間合いを取れるかだ。
特に木刀や短刀を持った相手に、このようなことができないとお話にならない。
(5) 塩田剛三/合気道養神館 – YouTube このような体捌きは「なんとなく真似をしていれば出来るようになる」ワケではない。 養神館の基本技を習得して始めて可能になる。(5) 合気道養神館 演武編 基本動作と関連技 – YouTube
合気会でも嘗てはこれに近い稽古をしていた。
このような動きが出来るには ①足の筋肉反射ではなく、腰から動く事が必要で ②常に相手との<丁度よい間合い>がとれるようになること である。
それは、相手と自分を切り離して、「相手より早い」とか「相手より強い」という相対的な位置づけではなく、相手と一体になる感覚が必要だと思う。合気道の基本/塩田剛三の言う「対すれば相和す」とは?合気道家が心に留めておく極意とは? – 塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家- (shioda-aikido.tokyo)
*残念なことに、このような動きが出来る合気道家が少なくなっているのが現実だ。
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