◆最近、暴行事件や傷害事件が増えている。 謝って済めば良いのだが、残念ながらちょっとした<もめごと>が大きな事件に発展してしまう事もある。 そんなときどうすれば良いのか。
【問題点】前回は<闘う>というケースを前提としているので、今回は抑えるにはどうするかを検討する。
【解決方法】 歩いていて「街中で肩がぶつかった」とか「電車の中で押された」とかいうのが原因で、絡まれた時の事を想定してみる。
1.街中で肩がぶつかったとき
(1)ぶつかると同時に<肩の力を抜く> ※瞬間芸なので、合気道をあまりやっていない人には難しいかもしれない。
肩に力が入っていると、相手の力に抵抗することになり、<攻撃的な意志>があると察知して絡んでくる可能性がある。 そして<力>対<力>の関係になりかねない。
・もし、それでも相手が絡んできたら、とりあえず<すみません>と丁寧に謝る。 それで納得しなくて、更にく絡んでくる>ときは、<警察に行きましょう>と言うのがベスト。
(2)肩を押し返してきた場合 相手の<押す力>に抵抗せずに、押されたのを受け入れるように身体(半身)を後ろに下げる。 できれば、相手の力の移動(強弱)にあわせて、動くのが良い。 そうすると相手はバランスを失い、攻撃的意志が減ってしまう。
・通常、相手はそれで満足して「気をつけろ」とかいってどこかに行ってしまうのが普通だが、それでもしつこく<絡んできた場合>は「何でしょうか。」と言って立ち止まった相手を見る。
・更に絡んできたら「謝っているのですが、それ以上の事があるなら警察に行きましょう」と言いいながら歩き出す。大抵はそこら辺で絡むのをあきらめるはず。
(3)しかし、そんな対応に、却って逆上して殴りかかってくる場合がある。 ⇒そのときは前回のように体捌きで対応し、時には抑えるのが良いと思う。
2.混み合った電車の中で、前から肩や胸を押された場合
(1)押されると同時に<肩の力を抜く> 力を入れたままだと、<攻撃的>ととられケンカになりかねないが、接触している部分の力が抜けると相手は押そうという気持ちがなくなる。
(2)更に押してきた場合は、押されている側の反対側の足に重心を移す。 例えば、右側の肩を押された場合、左足に重心を移す。それだけで圧迫感はなくなる。 更に押してくるなら、相手が押している力にあわせて、同じ方向に足を動かす。 相手の腕の力に合わせることで対抗している圧力はなくなり、相手はすかされてバランスを崩す。 ※足幅が広いと重心を動かすのが難しいので、その前に足を近づけて、腰の重心をどちらの足にもすぐ移動させれるようにしておく。
3.問題はそれだけで終わらないとき 時々街中で、<殴り合い>とまではいかないが、<肩や胸ぐらを掴んだり>している人を見かける。そのときどうするか。
(1)例えば、こちらの胸や肩を掴もうとして手を伸ばしてきた場合 その手にそっと触れて、伸ばしている方向を自分からそらしてあげる。
具体的には、自分の左肩や左側の襟口に手を伸ばしてきたとき、その腕の外側に自分の腕を接触させ、相手が伸ばしてきたスピードを変えずにそのまま方向を変えながら、自分がその手とぶつからないように相手の腕の外側に一歩でる。 ※ここで重要なのは、相手の伸ばしている動きに少しも抵抗しないこと。 だから相手が伸ばしているスピードを変えないように、そっと触れること。 相手が少しでも抑えようとする意志を感じれば、相手は反発して、他の方法をとってくる。
そうすると、相手は掴もうとする目標を失いバランスを崩し、自分は相手の背後にいることになるので相手を簡単に制することができる。 通常そのようにコントロールされると相手は抵抗をやめる。 それでも抵抗してくるならば、相手の肩を後ろから押さえて動かなくさせることも出来る。
(2)相手がいきなり襟や肩を掴んできた場合
相手の腕に力が入っているので、それに抵抗して無理に相手の手を引き剥がさない。 上記の写真のように、左肩や左の襟をつかまれた場合、左足を軸として反転する。 相手の腕の力より、自分の身体を動かす力が強いので、相手の手が捻れ、相手は手を離す。
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