【結論】それは<様々な形で攻撃してくる相手を抑える>という武道だからです。
即ち、空手なら<突き>や<蹴り>を前提に稽古をします。 柔道なら<投げ>を前提に稽古をします。 剣道なら<竹刀>での戦いを前提に稽古します。
しかし、合気道ではそれらの前提がありません。 だから、いろいろな技を習わなければなりません。 そこで、一番初めに習うのが「一教」といわれるものです。
◆今回はその「一教」について説明します
「一教」は「相手の腕を掴んで、相手を抑える技」ですが、色んなシチュエーションがあります。 ・手の持ち方で対応が変わります。(片手持ち、両手持ち、諸手持ち、な ど) ・相手の攻撃の仕方で変わってくることもあります。(正面打ち,突き,など)
技の流れについては、本(合気道入門 正確な稽古で基本を極める | 植芝充央 |本 | 通販 | Amazon)や動画((6) 合気道初心者のための片手持ちからの一教「大阪枚方道場 活法合気道」 – YouTube) で丁寧に説明していますので省略します。
といっても、説明通りにやるのは、実は結構難しいです。
◆実際に相手の腕を掴んでも、その後<どうしたらいいのか>分からないのが普通。
普段私達は、手足を同時に<意識的して>別々に動かすことはしていません。
・手を動かすとき・・・足は止っています。 ・足を動かすとき・・・手は決まった動かし方しかしていません。
しかし、相手は腕を掴まれておとなしくしている訳ではありません。 逃げたり、反撃したりします。
それを、腕を抑えるだけで制圧できればいいのですが、通常無理です。
◆だから、<それなりの技術>が必要となります。
まず、そのためには、相手にあわせて動くことが出来なければなりません。 そして、 ①相手が力を出せないようなポジションをとること ②相手が力を出して抵抗しても、その力をコントロールできること が必要になります。
◆力対力になっては、余程の体力差がないと無理です。
どうするかというと ⇒掴んだまま、相手が抵抗する前に、相手のバランスを崩さなければなりません。
即ち、相手が態勢を立て直そうとする前に、相手の腕を抑えながら、同時に<腕を動かし>たり、<腰をおろし>たり、<足を曲げ>たりします。 そして、相手が倒れるところまで持っていきます。
それから抑えます。
◆通常はこのような動きで十分対処できます。
上述の説明書もこのような動きを説明しています。
これで攻撃してくる相手を抑えることが出来るかというと・・・通常できます。
それは、相手は腕を抑えながら、<前方>、もしくは<下>に崩されているからです。 腕を抑えられながら、同時に、<前方>または<下>に動くという事に通常の人にとって想定外の動きだからです。
とりあえず、初心者(段をとってない人)は、この段階でOKです。
◆しかし、実際には、毎回うまくそのような対処で相手が<倒れて>、<抑えられる>とは限りません。
特に反射神経の鋭い人や、攻撃的な相手は、それではすぐに態勢をたてなおします。 無論、相手が動くたびに自分も動ければいいのですが、相手が力が強いと必ずしもうまくいくとは限りません。
また、もし強引に相手を倒すと、ケガしたり、自分も一緒に倒れてしまいます。
◆重要なことは、常に自分のバランスを保ちながら、相手のバランスを崩すことです。
このような事が出来るには、腕だけの力で相手を抑えたり、足を踏ん張ったりするだけではできません。腰を中心として、<手>や<足>を動かすことで自分のバランスをとらなければなりません。
ここからは初級者というより、有段者になってからの稽古になりますが、簡単にいうと、「相手の力を自分の体で吸収し、相手が力を発揮しようとする拠り所をなくしてしまう」事です。 相手との<一体化>が必要となります。
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