【前提】 柔道、剣道、空手道は子供の頃に始める人が多いが、大学を卒業すると殆どの人がやめてしまいます。 同じ武道である合気道も年を取ってから始めるのは無理なのでしょうか。
【答え】 何歳でも出来ます。 しかし、さすがに80歳を超えてくると、一緒に稽古をする人が心配します。 70歳代で始める人は普通にいます。 60歳代で始める人が意外と多いです。 これは定年になったのでやりたい事をやるという気持ちが多いと思います。
【理由】 合気道は筋力で行うものではないからです。 ある程度の筋力はあった方が、習得上必要かとは思いますが、それも小学生レベルで十分だと思います。 合気道を造った開祖といわれる植芝盛平翁も「死ぬ直前が一番強い」と話しており、実際にそうだったようです。 また、合気道に最も影響を与えたといわれる「大東流合気柔術」の宗範・佐川幸義氏も死ぬ直前は驚くほどの実力を示したと言われています。透明な力 | 木村 達雄 |本 | 通販 | Amazon
【私の経験】 以前本部道場で65歳くらいの方と稽古をしたことがあります。 とても楽しそうで、しかも上手でした。 受け身も無理にとっているのではなく、相手に合わせて柔軟にとっていました。
「上手ですね」といいましたら、「3段になったばかりでして・・・」と照れながら話されました。
「定年になったら合気道をやろうと決めていて、5年前に定年になったので、それから毎日、朝と夜の稽古にでている」と嬉しそうに話してくれました。 また、「おかげで体の調子がいいので、ビールがおいしい」とも言っていました。
本当に楽しんでいるようでした。
5年くらいでそこまでうまくなれる人はそう多くはいないと思えるほどでした。それゆえ、短期間で3段になれたのだと思います。
【理由】 他の武道(体術)でそれが可能かというと多分無理だと思います。
また、「楽しいか」というと、それも疑問です。筋力を駆使して動くのは若いころは有り余るエネルギーを発散させて「スカッ」とするとか、「相手に勝った」という<満足感>はあるかと思います。しかし30歳を過ぎてもそれを維持する事は困難です。 人間の肉体の限界がありますので、自分の努力でどうなるものでもありません。
人が体を動かすとき
心で思い⇒それを細胞に伝え⇒筋肉に命令し⇒該当部分を動かす
という順番だと思います。
問題はたいていの場合、上半身を動かしているとき、下半身の動きが止まっている事です。
下半身と上半身が連動していないことです。
足を踏みしめてそこで相手と戦っているという状態に見えます。
大学の体育会でも4年で2段になった人で私の経験ではうまいと思える人はあまりいませんでした。
これは、大学の体育会という自分たちだけの閉鎖的な稽古環境の中で、下手なもの同士でやっていて、なかなかうまくならないのだと思います。
時々他大学と交流するようですが、やはり同じレベル同士での稽古ではレベルアップは難しいと思います。
他の武道のように勝ち負けがあればそれなりに必死になったり、努力したりするのでしょうが、試合がない合気道では上達のための方向性が見えないからだと思います。
本部からの指導者は来ているでしょうが、レベルが違いすぎて、そこまで上達するための方向性が見えてこないのではと思います。
ならばOBが指導すれば、と思われるのでしょうが・・・OBは仕事で忙しく通常は来ないと思います。
OBといっても大学を出たばかりですと、大抵2段でしょう
OBで合気道を続けている人は、大抵は自分なりの上達を求めて稽古をするので、それなりの指導者がいる街道場に行くのではないでしょうか。
そういう前向きの人は、仕事の合間を縫ったわずかな時間を、自分より下手な学生と稽古をするために大学に行くことはないでしょう。
まして家庭が出来ると休日に行くことはないでしょう。
コメント