1.10年くらい前まで<一応>会社の「忘年会」はあった。 <一応>というのは、20年くらい前から会社の「忘年会」は下火になっていたからだ。 コロナが流行りだしたので、今は殆どないようだ。
テーマの「忘年会は楽しいかい」という事だが、今は友人やサークルの<飲み会>と同じで楽しい。 しかし、20年前まで行われていた<会社>主導の「忘年会」は嫌だった。
2.知らない人が多いだろうから、<昔の忘年会>について書いてみる。 簡単に言うと、<会社>の上下関係をそのまま<持ち込む>スタイルだが、「無礼講」という名の下にもっと酷いこともあった。 お偉いさんが「歌え」とか命令したり、女子社員に「酒を注げさせていた」 仕事で出席が遅れると「駆けつけ3杯」といって無理に飲まされた。
忘年会に出ないと、会社での評価は下がった。 「自分勝手なやつ」とか「生意気なやつ」というレッテルが張られ、何かにつけ嫌がらせをされた。 <会社>での「ポジションの違い」というのではなく「部下は上司の召使い」という扱いなのだ。
仕事が終わってからの本来の自分の時間を勝手に奪われ、更に召し使い扱いだ。 上司が大学の体育会出身だとさらに酷かった。
3.しかし20年くらい前から会社での「忘年会」は下火になった。 半世紀前、卒業したら<会社>に入るのが日本人としての<義務>だったように思われていた。 そして<社会人>としてではなく、<会社人>として生きることを強要されていた。
当時は会社への「滅私奉公」「忠誠心」といった戦前の全体主義国家で用いられた姿勢が、<国家>に代わって戦後の経済成長を支えた<会社>で求められた。 会社は終身雇用が一般的だったので当たり前だと思ったのだろう。 信じられないだろうけど・・・本当だ。
会社で出世するのは、軍隊で昇進するのと同じで、会社外でも上司は部下に<命令する>のを当たり前のように思っていた。
仕事が終わって上司に飲みに誘われたとき、「用事があります」 ・・・などと言って断ると、嫌な仕事ばかりさせられたり、給与や昇進で不利益な扱いをされた。 だから、「仕事が残っています」・・・と一緒に会社を出るのを避けていたが、そのうちどこかのバーや飲み屋からて「仕事は終わったか」という確認の電話が掛かるようになった。 当時は携帯電話がなかったから、上司がいなくなったら電話の前に帰っていた。
3.今はそんなように上司に媚びへつらう事をする意味もなくなった。 そもそも<パワハラ>になりかねない。 <会社>の交際費が出なくなり、業績が悪くなると、平気で首を切るので、社員もそんな<会社>に見切りをつけ、さっさと転職するようになり、会社の<求心力>もなくなった。
結局、<終身雇用>の会社の中で居心地良く過ごすために、上司につきあっていたが、上司にお付き合いしてもメリットがないとわかった頃から、<会社中心の忘年会>はなくなった。
4.結局、今あるのは友人達との忘年会だけになった。 そこには上下関係のような縦社会もなく、仕事から解放された自分の自由な時間をより満足させるためのものになっている。・・・とっても良いことだ。
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