合気道の不思議な体験-1

合気道

合気道を40年近くやって来て不思議な体験をしたことがある。                                     それについて書いてみる。

1回目は今から40年近く前。                                          合気道を初めてほんの数ヶ月経った頃の事だ。                                               私が合気道を始めた理由と関係がある。

1.サラリーマンになって多分3年目だと思う。                                     私は身体を壊した。                                                  といっても体力が落ちた、とかケガをしたといったことではない。                                    仕事があわなかったことが原因だが、最初は分からなかった。 

                                                           会社に入ったのは高度経済成長に入り始めた1975年。                                     高校、大学と学園紛争が続き、自分がそのまま当時流行った「モーレツサラリーマン」になることに抵抗があった。                                                   友人の多くは人気企業の大手商社や証券会社、都市銀行というハードな仕事が予想されるような会社に就職した。                                                     しかし、そんな企業が公害を始め様々な軋轢を社会で起こしている当時、就職する気にならなかった。

高度経済成長と公害

                                               社会的に問題を起こさないような<大人しい>と自分で思っていた電機メーカーに就職した。                                                                                                                                 しかし、配属された部門はやはり周囲との調和や社会的正義などは全く無関係に、それこそ商社や他の公害企業と同じように社会との軋轢など考慮せずに働かされた。

心の中で「こういった仕事は良くない」と思っていたが、会社からは「これが仕事だ」と強要され、徐々に心の安定を失っていった。

2.それは身体に現われた。                                                   夜中まで会社で仕事をしていたとき、モーレツな腹痛を感じ、トイレに駆け込んだ。                         上も下も止まらなかった。                                          誰も居なかったので会社のソファアで横になり、苦痛が和らいだところでタクシーで家に帰った。                                                                     そんな苦しい状況が、毎月一度は起こるようになり、体調も徐々に悪化してきた。 

体調悪化

体力が落ち疲れやすくなった。                                                    そして、食べられるものが変わってきた。                                              最初は脂っこいものが食べられなくなった。                                          次に糖分の入ったジュースが飲めなくなった。                                  そして白米も食べられなくなった。    

                                                        食べられなくなったというのは、食べたら吐き出してしまうからだ。                        ただ、吐き出すのではなく「胃痙攣」という状態、胃が捻れるような苦しみを味わうのだ。                               その後に猛烈な頭痛に襲われ、布団の中で七転八倒していた。                                                    

結局、最後には玄米、生水、生野菜、白身の魚を少し、というもの以外身体が受けつけなくなった。                                                                   殆ど病人食。                                              自分の生命の危機を迎えていたような気がする。                                       その頃身長170㎝で体重は50㎏なかった。                                          少し強い風が吹くとフラフラしていた。                                             とてもではないが20歳代の男子の身体ではない。

痩せ細る

当然当時有名な大手の総合病院を始めいろいろな病院を回った。                                     母は心配して色んな健康法の道場に連れて行ってくれたり、宗教関係も回ったようだ。                            しかし、身体はよくならなかった。                                                             生きているのが辛い毎日だった。

                                              3.そんなとき偶々本屋で健康法の本を探していたとき、「合気道」の本が目入った                                                                   多分塩田剛三先生の本だと思うが、そのなかに「合気道は身体に良い」と書いてあり、事例として「片足を引きずって歩いていた青年が普通に歩けるようになった」という文があった。                                                                                           今ならそんなことは書けないだろうけれど。                                                                                                                       

幸いその本屋のすぐそばに合気道の道場があった。                          とりあえず入門した。  

合気道、初心者

                                                  最初はわけもわからず、まず受け身から教えられた。                               しかし身体を壊した状態なので、技をかけられて受け身をとるために倒れるのだが、すぐに起き上がれない。                                                                                      ゆっくりと半身を起こして、それから手をついて、ゆっくりと息を吐きながら片足をついて、お年寄りが「どっこいしょ」と立ち上がるようにするのが精一杯の状態だった。                                                           そのとき私の相手をしてくれたのは元気な若者ではなく年配のおばさんだったが、心配そうに見ていた。

当時働いていたので、もし仕事に差し支えたらマズイと思い、週末に来られるような時だけ来ていた。                                                 

4.それから多分2,3ヶ月経った頃だと思う。                                                         相半身一教(相手に持たれた腕を円のように円く回し、相手を前方に崩す技)だと思うが、相手が自分を崩すように僕の手をおおきく回し、僕を前方に崩そうとしたたとき、相手の手から何か暖かいものが流れてきた。                                                               そしてそれは自分の腕を通って身体の中に入ってきた。

気の流れ

                                                       「気持ちが良い」 

                                                   そんな感触があった。                                           その「気持ちが良い」というのは、身体の表面や肉体が感じるのではなく、<細胞が喜ぶ>といったような<身体の生命の元に響くような>ものだった。                                            そして身体がすごく楽になった。                                                  それからは、そのような<気持ちよさ>を求め、道場に通うようになった。 

                                                                今思うと、それは相手の<気>が自分に流れてきたのではないかと思う。                              当時先生に言われたのは<肩の力を抜きなさい><ゆっくりと呼吸をしなさい><相手にあわせなさい>という事だったと思う。                                               病人だった私は、兎に角先生の言うことを一生懸命やった。

5.すると身体が少しずつ良くなってきた。                                             それまで食べられなかった魚が食べられるようになり、普通のご飯もや少しだが肉類も食べらるようになった。                                                                当然それらを食べても吐き出すようなことはなくなり、身体にも筋肉がついてきて、普通の生活をおくれるようになった。

元気になる

道場に行くのが楽しくなり、それから一年後には普通の身体に戻り、暫くして会社も辞めた。                                        会社を辞めたときは<厄が落ちた>ような気持ちだった。                   

心の有り様が身体をおかしくしていたのだろう。

いまにして思うが<心身の統一>が出来ていなかったのだろう。

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